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 しかし、今、シナンの眼の前にいるイブラヒムには、疲れの色があった。 「ところで、シナン——」  このシナンよりも歳若い大宰相は、あらためて言った。 「はい」  シナンは、イブラヒムに向かって頭を下げた。 「今日、おまえをここに呼んだのには理由がある」 「はい」  シナンはうなずくだけだ。  一四七〇年、グリッティ二十四歳の時である。  大使としてトルコに行ったのではない。  交易商人として、グリッティはトルコに入ったのである。  この時のスルタンが、バヤジットである。  スレイマン大帝が生まれる二十四年前だ。  オスマンのスルタン・バヤジットもアフメット宰相も、グリッティとは友人づきあいをした。  このトルコ滞在中の二十年間に、グリッティは、ギリシア人女性との間に、三人の子をもうけている。  その三男が、ルイジ・アロイシ・グリッティであった。  しかし——  アンドレア・グリッティのトルコ滞在二十九年目に、オスマントルコとヴェネツィア共和国との間に戦争が起こった。
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