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2015-02-07 04:24    ヴィトン長財布人気ランキング
「ごめん下さい」  と改まったあいさつはだれもしない。ノッソリと自分の家のような顔をして入ってくる。だらしがないようでいて、そのくせ、何となく不文律のようなものもあった。  辰子を独占しない。稽古場をむやみにのぞかない。弟子たちには言葉はかけず目礼する。  その日、陽子もだまって靴をぬいだ。そのまま真っ直ぐに稽古場に行くと、稽古はないと見えて、辰子が一人、舞台に立って踊っていた。内弟子が二人電蓄のそばにきちんと正座して、辰子の動きにつれて首を動かしていた。  陽子が入って行っても、言葉もかけずに辰子は一心に踊っていた。陽子には何の踊りかわからない。だが黒地に銀の柳の葉をパラリと散らした和服姿の辰子が、子供心にも美しく思われた。  レコードがとまった。すぐに、そばに来てくれるかと陽子は少し胸をときめかせた。だがレコードが鳴ってふたたび辰子は踊りはじめた。踊りが始まると同時に、辰子の体に別の魂がすっと入るようなふしぎな印象があった。  陽子はそれを、説明できないが感じとった。踊っている辰子の表情が時にきびしく、時にやさしく、時にうつろに変化するのが陽子には面白かった。  それから、なお三回ほど同じ踊りを踊って、ようやく辰子は舞台を降りてきた。 「おかあさんは?」  辰子はそっけなくたずねた。  辰子は陽子がかわいくてたまらない。そっけないのは情を制する時の辰子の態度である。意識してそうするのではなく、天性そうしたものが辰子にそなわっていた。 「おうちにいるわ」 「陽子一人で来たの?」 「そうよ」 「フーン」  なぜ一人で来たのかと辰子はたずねなかった。だまって陽子の背からランドセルをはずして、 「学校帰りなの?」 「おうちから来たのよ。おうちに帰りたくないの」