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「それがまだはっきりしないんです」 「山木の奥さんは、どういっているんだ? 亭主の浮気にまったく気がついていなかったのか」 「奥さんは病気がちの人でしてね、そういう女はいたかもしれないが、気にしないようにしてきたというんです。性格的にもおとなしい人で、自分のからだが弱いので、なかば諦めていたようです」 「いままでに、土曜日に、客を接待して遅くなることがあったのかね?」 「あることはあったらしいですよ」 「ふだんは?」 「ふだんの帰宅は、一定していなかったそうです」 「会社の連中は、何といっている?」 「総務部長の川畑というのが、もっとも信頼されている男なのですが、なかなか口の堅いやつでして……山木の女性関係については、知らないというんです。社員の話では、知らないはずはない、それどころか、何から何まで知っているはずなんですが」 「社員はどういっているんだ?」 「秘書の松枝久子が山木の女じゃないか、と噂しています。ただ、この女性は、先週のはじめから会社を休んでいまして、うちの捜査員が高輪の家へ行っても、留守で会えないんです」 「モーテルにきた女という可能性はあるわけだな?」 「あることはあるんですが、モーテルの方では、女がサングラスをかけていたので、人相を確認できないそうです。それに女の車のナンバーもひかえていないとかで、どうも詰めにくいようです。ただ、ちょっと妙なことがありまして」 「何だ?」 「神奈川県警の話ですと、モーテルの部屋係の証言では、山木と女とは食事をとったが、ベッドの使われた形跡がなかったというのです」 「ふうん」 「客が帰ると、すぐに行って、シーツをとりかえるわけですが、まったく取りかえる必要がなかったそうです。つまり、食事をいっしょにしたものの、セックスの関係はなかったということになります」 「山木がイカワと称したのは、どうしてだろう?」
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