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2015-01-29 04:20    プラダ長財布
「山本さんがあの、バック・スクリーン前からバック・ネットまで、ダイレクトにぶっつけちゃったって人……」  皆、自分が寝そべっていた布団から、膝でにじるようにして、順一と山本のまわりに集って来た。 「そうです。私は元フライヤーズの外野手、山本英夫の、なれの果てです。本当にはずかしい。やめて今年で三十五年、お客さんに手を叩いていただいた自分の姿が邪魔になって……。肩の強いのなんて野球場の外じゃ、まるで役に立たないのに、へこたれ、ふてくされて、今まで過ごしてしまったのです」 「そうだろうなあ、長嶋だって野球のない国に住んでいたら……」  水田順一が呟くと、三原良太も、 「華やかな芸があっただけに、すんなり地味な世界に入って行けないで、いらいらかりかりしてる間に月日が流れ、三度もこんなとこに来ちゃったってわけだ」  珍しく真面目な顔でいった。 「この年齢でこんなことをいったんじゃ笑われてしまうでしょうが、鉄砲肩とか、いっときの人気なんて、なんの値打もない世界に入ったら、アルバムだけ大事にどこかへ仕舞いこんで、あとは全部忘れてしまわなければいけなかった。せめて三十年前に気づいていれば、随分今の姿も違っていたのでしょうけど、これは愚痴ですね」  山本英夫は、ふっきれた男のさわやかな顔を見せていた。 「遅くなんかねえさ山本さん、まだ六十でしょう。まだまだいろんな場面に恵まれるはずですよ。ねえ、十九日の朝、出所したら、まず何をします、何を食べます、どこへ行きます……」  三原はさすがに商売柄、言葉で場面を明るく変えてみせる。 「さあて、そうですね。まず煙草ですか、やっぱり。両切りのピース、それもカン入りのを買ってどこかに腰かけ、もう看守の目なんか気にしないんでいいんですから、静かにたっぷり吸い込みます」        7  明日の昼過ぎにはいよいよ工場からあがるという十六日の水曜日、舎房で過ごす最後の晩、仮就寝の鐘が鳴って布団を敷き終わると、山本英夫は床に正座して、頭を垂れた。 「皆さん、本当にありがとう存じました。ここでこんなに親切にしていただいたことは、一生忘れません。心からお礼を申します」  皆、パチパチと手を叩いた。