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ヴィトンジェロニモスモノグラム編集

「ええ、とっても変わっているんです」 「ふーん……」  添島は興味深そうに、詩織の顔をまじまじと見つめた。 「しかし、男は押しなべて油断がなりませんぞ。頼りになりそうだからといって、全面的に信頼しないことですな。もっとも、信頼が愛情に発展したとしても、べつに不思議のないことではありますがね」 「えっ、あら、いやだ……そんなんじゃありません」 「ははは、まあまあいいではないですか。あなたなら男を見誤ることもないでしょう。とはいえ、万事慎重に、よろしいですな」 「はい、気をつけます」  詩織は深々と頭を下げた。 第二章 二重構造の鍵     1  浅見光彦《あさみみつひこ》から電話があったのは、それから数日後の昼過ぎのことである。詩織《しおり》は例のユニ・アカデミーの翻訳の作業に取り掛かっているところだった。
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